株価移動平均線テクニカル分析

コンセプト

傾き角度

株式のテクニカル分析で移動平均線の傾きは非常に重要です。 右肩上がりなら方向性は上昇トレンドであり、上向き角度が大きいほど株価が急騰していることがわかります。

投資目的であれば、動意のない横ばい株より、勢いよく上昇している株のほうが魅力的です。 ところが、株価チャートに移動平均線を表示することはできても、どのくらいの傾き角度なのか調べることはできませんでした。

下2つのチャートは、同じ株価移動平均線を別の設定で並べたものです。

同じ移動平均線なのに傾き角度が全く異なり、左のほうが急上昇してるように感じます。 つまり、株価チャートを見た印象だけではトレンドの強弱を判断できないのです。

当サイトは、株価移動平均線の傾きを独自に数値化しています。 水平を0とし、上向きがプラス、下向きがマイナス、絶対値が大きいほど急角度です。 この数値化により、トレンドの方向と勢いを認識できるようになり、銘柄間で移動平均線の傾きを比較したり、順位をランキングできるようになりました。

なお、傾きの数値は、直角を90度とする一般的な角度とは別物です。 例えば、傾き35は100日間で株価が35%増える上昇角度、傾き-17は100日間で株価が17%減る下向き角度を意味し、 投資家に理解しやすい数値となっています。

(株価移動平均線の傾きが継続することを保証する訳ではありません)


サイクル

株価は永遠に上がり続けることはなく、波のように上昇と下降を繰り返しています。 その様々な状態を、株価移動平均線の傾きと位置関係で6つに分類したのが下図です。 (赤色が短期移動平均線/黄色が長期移動平均線)

一番上は、移動平均線が2本とも上向きで、短期移動平均線が長期移動平均線の上にある標準的な上昇トレンド。 一番下は、移動平均線が2本とも下向きで、短期移動平均線が長期移動平均線の下にある標準的な下降トレンドです。

ここで重要な点は、下から上になるには左側の状態を経由し、上から下になるには右側の状態を経由することです。 つまり、ほとんどの株は、円形の図を時計方向に回っていることになります。 ちなみに、左下から左上へをゴールデンクロス、右上から右下へをデッドクロスと呼びます。

当然、新規に株を買うなら一番上か左側の状態が有利でしょう。 信用取引を使ってカラ売りができれば、右側も活用できるためチャンスが倍になります。 所有する現物株が右側の状態になったら、利益確定売りを検討すべきかもしれません。


並び順

順調に上昇している株のチャートは、移動平均線が上から短期・中期・長期と並びます。 そのため、この並び順は、投資家が優良銘柄を選ぶ基準として使われてきました。

反対に、しばらく低迷を続けている株のチャートは、上から長期・中期・短期と移動平均線が並ぶことになります。

この弱い並び順は、一般の投資家には敬遠されがちですが、 売られ過ぎの底値圏から切り返す株を狙う逆張り投資家に使われます。 最下にある短期移動平均線の傾きに注目です。

なお、移動平均線の傾きが数値化される前は、株価が移動平均線の上にあるか下にあるかを見ていました。

当サイトは、この株価位置や移動平均線乖離率を使う方法でも検索することができます。


平均期間

「ずっと右肩上がりの株なのに移動平均線の傾き上昇リストに表示されない」と疑問に思われる方がいらっしゃいます。

この株価移動平均線は、細かい波動を繰り返しながら上昇しているため、右端(現在)の傾きが少し下向いていることがわかるはずです。 大きなトレンドを調べたい場合は、長期の移動平均線を使いましょう。

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